目的・事業


SIPSとは

我が国は世界有数の地震国であり、地震による災害は国民生活のみにとどまらず社会文化面でも大きな影響を与えるものであります。免震構造は、地震動からくる破壊的な力を免震部材により柔らかく受けとめ軽減させることで、構造躯体だけでなく建物内部の安全性を飛躍的に高め、かつ幅広い耐震設計を可能にさせるものです。

この九州の地においても2005年に福岡県西方沖地震、2016年に熊本大分地震が発生しており、地震を身近に感じる機会が増えてきております。しかし、未だ免震構造への理解は十分に浸透しているとはいえず、耐震工法の選択肢としての認識も十分でない状況であります。

このような現状を改善し、九州の地において免震構造を広く普及させるためにはさらなる研究や啓発活動等が必要と考えられます。

貴重な資産の形成保全を図るためには、免震構造に関する調査研究の充実をはかり、免震構造の設計、施工、部材、維持管理等に対する技術の向上と安全性の確保を的確に推進指導できる組織が必要です。そのための活動団体として「九州免震普及協会」(Seismic Isolation Promotion Society,略称SIPS)を設立しました。

九州免震普及協会は、2017年10月に任意団体として設立をし、さまざまな活動を行ってきましたが、2020年に一般社団法人となりました。

設立目的

免震構造は2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震の際にもその効果を存分に発揮しました。免震構造を採用したマンションでは建物への被害はなく、建物内の家具なども転倒しませんでした。ライフラインが復旧した後には通常通りの生活をおくることができています。また、免震病院では地震後すぐに治療を再開することができています。このように免震構造は耐震構造に比べても格段に高い地震時安全性を有するだけでなく、貴重な資産の保全をはかることができます。しかし、こうした安全で安心な免震構造が、十分普及しているとはいえません。

そこで、本会では、免震構造の適正かつ健全な普及を図るとともに、より確実な耐震技術の発展と安全で良質な建築物の整備に貢献し、地域住民の生活の向上を目指すことを目的としています。

事業内容

当会では、免震構造が健全に普及することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行います。

  1. 免震構造への理解を深めるための勉強会・見学会等の開催
  2. 免震構造の健全な普及に努めるために建築主や建築家などを対象とした講演会・セミナー等の開催
  3. 建築主・建築設計者と構造設計者・技術者間の交流をはかるために、情報交換等を行う場の設定
  4. メーカーの技術者や実務者・学識者からの最新情報を提供できセミナーや勉強会の開催
  5. 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業